要約筆記とは

 

要約筆記とは何ですか?

聞こえない方に話の内容、会議の進行、講演の内容などをリアルタイムで文字通訳する、筆記通訳のことです。 人間の話言葉だけではなく、周辺の音声情報も通訳します。 例えば放送での呼び出し、笑い声、チャイムの音なども伝えます。 聞こえない人も聞こえる人も同じ場所で、同じ情報を共有し、その場に参加できるように文字にして伝えます。 要約筆記には ノートテーク(手書き) OHP(オーバーヘッドプロジェクター)使用の手書き パソコン要約筆記などがあります。 要約筆記者には、速く、正しく、読みやすく書く(入力する)ことが求められます。

「速く」とは、どのぐらい?

人間が普通にしゃべるスピードは、1分間に300字程度と言われています。 早口の人は400字、500字ぐらい話すこともあります。 人間が書くスピードというのは、手書きで1分間に60字ぐらい、パソコンで入力する場合でも1分間に120字~150字だと言われています。 ということは、リアルタイムの話には「遅れてしまう」わけです。 要約筆記は、同時通訳であると言われますが、聞いてから文字にするという作業なので時間的な遅れが出ます。 少しでも遅れないように「速さ」と「要約のうまさ」が求められます。 例えば、会議で議長が「質問のある方は?」と聞いているのに表示するのが遅れてしまったら、どうなるでしょう? 聞こえない人は会議に参加できていないことになります。 「賛成の方は手を挙げてください」と議長が言ってるのに、その場で伝わらなかったらやはり参加できないことになります。 リアルタイムで、その場で伝える、要約筆記は「情報保障」という大切な役割を持っています。

「正しく」というのは?

例えば「1月」と「7月」この二つの言葉を耳で聞くと、似ています。 話者が「7月」と言ったのに、「1月」と伝えてしまったら? 要約筆記の文字だけを頼りにしている人は、間違った情報を得ることになってしまいます。 また、話し手が「何を言おうとしているのか」をいつも掴まないと、正確に伝えることはできません。

「読みやすく」というのは上手な文字?

ノートテーク、OHP、パソコン、どの方法でも「読みやすさ」が必要です。 それは上手な文字というよりも、読みやすい大きさ、正確な文字、箇条書き、まとめ方、改行の位置などに気を配った書き方と言うことができます。

聞こえない方は、手話通訳を依頼するのではないのですか?

中途で失聴した方、難聴の方など手話を読み取ることが困難な方もいらっしゃいます。 また手話通訳と文字通訳の両方を提供することで、情報をより正確に得ることができます。